※本記事はプロモーション(アフィリエイト)を含みます。
先に結論から書きます。透析室は「夜勤なし・日曜休みで生活リズムを整えやすい」職場として、病棟の夜勤に疲れた看護師の受け皿になりやすい現場です。ただし入口には「穿刺(せんし)」という技術の壁がある。この良い面と本音の壁を、両方そのまま書きます。
先にお断りしておくと、私自身は透析室で働いた経験はありません。私のキャリアは急性期の一般内科病棟(三交代)、市民病院の外来、その後は内科系と精神科の訪問看護が長い。透析室に入ったことはないので、この記事は①調べた事実、②透析の道に進んだ看護師仲間から聞いてきた話、③採用や面接で色々な現場のキャリアを見てきた立場、で書きます。現場を知る人には物足りない部分もあるはずですが、そのぶん盛らずに書きます。
透析室看護師はどんな仕事か
血液透析(HD)を受ける患者さんの、透析前・治療中・終了後まで通しで関わる仕事です。ざっくり流れを書くと、こうなります。
- 透析前:体重測定とバイタル。前回からの体重増加を見て、医師の指示にもとづき除水量(引く水分量)を確認します。
- 穿刺:シャント(動脈と静脈をつないだ血管)に15〜18Gの太い針を2本刺します。透析看護の中核であり、最大の壁とされる技術です。
- 透析中:フロアを見回りながら血圧・脈拍・体調を観察・記録。除水にともなう血圧低下や気分不良、下肢のつりなどに対応します。
- 終了時:返血・抜針・止血。針が太いぶん止血に時間がかかります。
- 自己管理指導:塩分・水分・カリウム・リンの食事管理、ドライウェイト(目標体重)、シャント管理、服薬の生活指導。慢性期の患者教育が大きな比重を占めます。
装置の操作や水質管理は臨床工学技士(CE)が主に担い、穿刺はCEと看護師の双方が行う施設が多いとされます。ただし分担ラインは施設ごとに違うので、ここは求人票や見学で確認したいところです。クリニック(透析専門)は状態の安定した外来維持透析が中心でルーティン性が高く、病院の透析センターは導入期や合併症のある患者、急変対応も入ってきます。
働き方——夜勤・休み・オンコール
最大の特徴は、日勤中心で夜勤が少ない、あるいは無い施設が多いこと。オンコールも基本なく、残業も少ない傾向とされます。午前・午後の2クールで回す施設が多く、夕方に終業できる。ここが「夜勤から降りたい層」に選ばれる理由です。
ただし注意点があります。仕事帰りの患者さん向けに夕方から始める夜間透析(3クール目)を持つ施設では、準夜勤や遅番が発生します。開始が早い施設では早番で朝が早くなることも。休みは日曜休診の施設が多く固定休を取りやすい傾向ですが、透析は週3回(月水金/火木土)が基本サイクルなので土曜稼働の施設が多い。日祝の当番が回る施設もあります。「日勤のみか/夜間透析の有無/準夜・遅番/土曜稼働」は求人票で必ず見てください。
給与の傾向
数字はすべて傾向として読んでください。診療科別の公的統計はないため、以下は民間集計で要確認の値です。参考に、厚労省の令和5年調査では看護師全体の平均年収は約508万円とされますが、これは全看護師の値で透析室単独ではありません。
| 求人集計の平均 | 年収 約372万円/時給 約1,210円 とする集計 |
| 転職メディアの目安 | 月給25〜30万円前後、年収450万円前後という記載 |
| 手当 | 血液曝露リスクへの危険手当が月1万円ほど出る施設あり(要確認) |
語られ方としては「夜勤ありの病棟 > 準夜のあり得る透析 > 夜勤なしの外来クリニック」という序列。夜勤が少ないぶん、病棟より年収は50〜60万円ほど下がる傾向とされます。ここは正直に受け止めておいたほうがいい部分です。生活リズムと引き換えに収入が少し下がる、というトレードオフだと理解しておくと、入ってから「思ったより」とならずに済みます。
向いている人と、しんどい面
向いていると言われるのは、決まった手順と時間を正確に回すのが得意な人、そして慢性期で患者さんと長く関わるのが好きな人です。週3回・1回4時間、数年から十数年の付き合いになる。生活指導や傾聴を通じて、長い食事・水分制限のストレスを抱える人の心理面まで支える仕事です。
しんどい面も隠さず書きます。仲間から一番よく聞くのは、やはり穿刺のプレッシャーです。現場の生の声を引用します。
- 「穿刺さえなければなぁと思う日はたくさんあります」「何年経験しても、穿刺を失敗するととにかく凹みます」(透析専門ブログ)
- 「『失敗したらどうしよう』という恐怖は、病棟の採血やルート確保の比ではない」「血管が細い患者を担当した日は朝から動悸が止まらなかった」(note)
それから、長期関係ゆえの難しさ。距離が近いぶん感情を切り離して接するのが難しい、相性やクレームが積み重なりやすい。透析センターに勤める看護師の約54%がオープンフロア(常に患者が視界に入る環境)にストレスを感じている、という報告もあります。加えて、手順に慣れるとマンネリを感じる人がいること、透析に特化するぶん急性期スキルから離れて他部署へ移りづらくなる面も、キャリアを見てきた立場として付け加えておきます。
資格と、注意しておきたいこと
必須資格は看護師(准看護師)免許のみで、透析専用の必須国家資格はありません。ステップアップとして、透析技術認定士(民間認定/一定の実務経験で受験可)や、慢性腎臓病療養指導看護師・腎不全看護の認定看護師といったパスがあります。待遇面で評価されることもあります。
未経験については、穿刺という技術が要るぶん経験者向けの求人が多めです。ただし研修体制の整った大手クリニックや大規模病院では、未経験可・教育制度ありの募集も出ます。未経験なら教育体制の整った施設を選ぶのが定石です。ここを見極めずに入ると、穿刺の壁を独りで抱えることになりかねません。
締めに
透析室は、生活リズムを整えたい人にとって現実的な選択肢です。ただ「楽そう」の一言で入ると、穿刺と長期関係という別種の負荷に驚くことになる。良い面と本音の壁、両方を天秤にかけて考えてほしいと思います。給与や夜間透析の有無、穿刺の教育体制、当番といった条件は施設ごとに本当に幅があるので、関心があれば求人を扱うエージェント等で実際の条件を確認してみるとよいでしょう。
看護師の求人・転職・募集なら【レバウェル看護】![]()
なお、フーレジョブは職業紹介事業者ではありません。特定の施設を推薦したり選考を調整したりはしていません。応募は各施設へ直接お願いします。この記事が、次の一歩を落ち着いて選ぶための材料になれば十分です。
▼ ほかの職場も見てみる: 看護師の職場まるわかりマップ(全29職種)