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先に正直に書いておきます。私自身はNICUでも小児科でも働いた経験はありません。看護師として16年やってきましたが、急性期の一般内科病棟(三交代)から外来、その後は内科系と精神科の訪問看護、いまはヘルパー事業所の運営と、相手にしてきたのはずっと大人でした。新生児の集中ケアはまったくの畑違いです。だからこの記事は、私が調べた事実と、この道に進んだ看護師仲間から聞いてきた話、それに採用側として色々な経歴を見てきた立場から、できるだけフラットに書きます。「経験者のフリ」はしません。そのほうが、これから進む人にとって役に立つと思うからです。

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結論:高度な専門スキルが身につく一方、キャリアの幅は狭くなりやすい

NICU・小児科(とくにNICU)は、他の科では絶対に触れられない新生児特有の集中ケアや呼吸循環管理が学べる、専門性の高い現場です。同時に、「新生児の看護しか経験がない」という状態になりやすく、あとで一般病棟へ移るときに知識のギャップが出やすい、という声もはっきりあります。入る前にこの両面を知っておくかどうかで、数年後の選択肢がかなり変わると感じています。

どんな仕事か:NICUとGCU、小児科の違い

NICU(新生児集中治療室)は、早産児・低出生体重児や先天性疾患をもって生まれた赤ちゃんを、高度な医療機器で集中的に管理する病棟です。体温調節や呼吸・循環といった生命維持の機能が未熟で不安定なため、24時間体制でバイタルと全身状態を観察し、異常を早期に見つけて対応します。保育器や人工呼吸器、モニター、輸液ポンプの管理、授乳やおむつ交換、ポジショニングなどの発達支援(ディベロップメンタルケア)まで、業務は幅広いとされます。

GCU(新生児回復室)は、NICUで治療を受けて状態が安定した児を受け入れ、退院・在宅育児に向けた準備を進める病棟です。看護配置はNICUが新生児3人に看護師1人以上(3対1)、GCUは6対1ほどとされ、GCUでは育児指導や退院調整が中心になります。

小児科病棟・PICU(小児集中治療室)との一番の違いは対象年齢です。NICU・GCUは新生児(生後28日まで)が中心。小児科病棟やPICUは、それを過ぎた乳児から15歳程度までが対象になります。新生児は自分で症状を訴えられず体格も小さいので、採血やルート確保といった手技の難度も、大人や年長児とはまったく別物だと聞きます。

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働き方:夜勤前提、アラームの緊張感

NICUは24時間365日の集中治療の現場なので、多くが二交代・三交代の交代制で、夜勤が前提です。人工呼吸器やモニターのアラームが常に鳴る環境で、夜勤帯も気を抜けない、とされます。もう一つ現実的な話として、NICUを備える病院はまだ数が限られ、総合周産期母子医療センターや大学病院、こども病院が主な受け皿になります。そのぶん地域によって求人の数に偏りがある点は、頭に入れておいたほうがよさそうです。

給与の傾向

給与は病棟並み〜やや高めの傾向とされます。夜勤手当や特殊業務手当が加わる職場では、一般病棟の平均を上回る場合があるようです。

項目 目安(いずれも傾向)
NICU看護師の年収 約550万円とされ、看護師全体の平均(約519万円)より30万円ほど高い傾向
別データの相場 470〜540万円とする記載もある

高めになる理由は、夜勤手当・時間外手当・特殊業務手当・賞与が多く支給される職場があるためとされます。ただし、これらの数字は施設・地域・経験年数・夜勤回数で大きく変わりますし、手当額は転職メディアの記載で施設差も大きいので、あくまで「傾向」として受け取ってください。具体的な条件は必ず個別の求人票で確認するのが確実です。

向いている人・しんどい面

向いているとされるのは、赤ちゃんの小さな変化も見逃さず、急変時に落ち着いて素早く動ける、冷静で判断の速い人。ストレス耐性があり、オンオフの切り替えやセルフケアができる人。そして、不安を抱えた家族の気持ちを汲み取り、言葉を選べる共感力のある人だと言われます。

一方で、しんどい面もはっきりしています。極小の命を預かる緊張の連続で、精神的・身体的な負担が大きいこと。すべての赤ちゃんを救えるわけではなく、看取りのときの無力感は大きく、気持ちを切り替えられずに辞めたいと感じる人も少なくないとされます。不安や悲しみを抱えた両親と向き合う家族対応の重さ、夜勤による体力の消耗も現実です。

そして先に触れたキャリアの偏り。新生児に特化するぶん、点滴・採血・成人の基本看護技術を経験する機会が少なく、一般病棟への異動や転職の際に知識のギャップが生じやすい、という声があります。実際、知恵袋には「NICUはとても幅の限られる科なので、仕事は楽しいですが成人も学んだ方がいいのでは」と2年目から悩む3年目の相談があり、経験者からは「まずは院内の病棟異動のほうがお勧め」「同じ病院内での配転のほうが経歴に傷がつかない」という助言が寄せられていました。もし将来の幅も残したいなら、こうした出口戦略を最初から意識しておくと安心だと思います。活かせる転職先としては小児科・産婦人科・小児専門の訪問看護・保育園などが、成人スキルを取り戻したい場合は療養型や回復期リハ病棟が挙げられています。

資格や注意点

NICUで働くのに必須の資格はなく、看護師資格があれば就けるとされます。小児科経験や助産師資格があるとアピール材料になります。ステップアップとしては、日本看護協会の新生児集中ケア認定看護師があります。要件は看護師実務通算5年以上(うち新生児集中ケア分野3年以上)、ハイリスク新生児の生後1週間以内の集中ケアを5例以上担当(うち退院支援1例以上)など。教育課程は約800時間で履修に約1年、受講費用は100〜150万円程度とされます(別途試験料・認定料等)。周産期で専門性を発揮したいなら助産師、より高度な相談・調整役を目指すなら小児看護専門看護師(CNS)という道もあります。認定・専門の正確な要件は、日本看護協会の公式情報で必ず裏取りしてください。

最後に

NICU・小児科は、命の重みを日々実感できる特別な現場です。危機を越えて元気になっていく赤ちゃんや、退院後に成長した姿を見せに来る家族に立ち会える喜びは、他科では得がたいものだと聞きます。ただ、その手ごたえの裏に緊張とキャリアの偏りがあることも、入る前に知っておいてほしいというのが、外から見てきた私の正直なところです。もし関心があれば、求人を扱うエージェント等で実際の条件を確認してみるとよいと思います。
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