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看護師の転職先として「美容クリニック」の名前を挙げる人が増えてきました。夜勤がない、日勤中心、給料が高いらしい——そんなイメージで気になっている方も多いと思います。
先に正直にお伝えします。私自身は美容の現場で働いた経験はありません。私のキャリアは介護のヘルパーから始まり、看護師として急性期の病棟、市民病院の外来、そして訪問看護と、いわゆる一般医療の側を歩いてきました。だからこの記事は「私が施術していた頃は」といった体験談ではありません。調べれば分かる事実と、美容の道に進んでいった元同僚や看護師仲間から見聞きしたこと、そして看護師のキャリア全体を長く見てきた立場から、良い面も負の面もフラットにお伝えします。判断するのはあなた自身です。
どんな仕事なのか——「美容皮膚科」と「美容外科」で中身が違う
ひとくちに美容クリニックと言っても、大きく二つの系統があり、看護師の仕事内容はかなり変わります。
美容皮膚科(レーザー脱毛・シミ肝斑・注入など)
レーザー脱毛やシミの治療では、看護師がレーザー照射を主体的に担当することが多いとされます。ヒアルロン酸やボトックスなどの注入は医師が実施し、看護師はその介助にあたるのが一般的です。肌の悩みに向き合う施術が中心になります。
美容外科(二重・豊胸・脂肪吸引など)
こちらは手術がメインで、看護師はオペ介助が中心になります。器械出しや術中管理など、求められるスキルは高めです。外科の経験が活きる場面もあります。
そして両方に共通するのが、カウンセリング・施術や介助・アフターケア・記録に加えて、ドクターズコスメなどの物販・提案(いわゆる営業要素)があるクリニックも少なくない、という点です。ここは求人票だけでは見えにくいので、後ほど改めて触れます。
働き方——夜勤なし、でも土日祝は忙しい
美容クリニックの大きな魅力は働き方でしょう。夜勤がなく日勤のみが基本で、残業も比較的少なめの傾向があると言われます。急性期病棟の三交代を経験した身からすると、生活リズムが整うのは確かに大きいと思います。
一方で注意したいのが休みの取り方です。来院が集中するのは平日の夜や土日祝。そのため土日祝の出勤が多く、連休は取りづらい傾向があります。友人や家族と休みを合わせたい人にとっては、ここがギャップになりやすいところです。立地も都市部や駅前が中心なので、通勤圏も考えておきたいポイントです。
給与の傾向——「額面の高さ」だけで判断しない
給与について「高め」という報告は多く見られます。ただし正直にお伝えすると、媒体によって示される数値のばらつきが大きく、ひとつの数字を鵜呑みにするのは危険です。ここでは具体的な金額の断定は避けます。
気をつけたいのは中身です。基本給は高く見えても、インセンティブや歩合が込みになっていたり、物販や指名のノルマが設定されている場合があります。つまり「提示された額面の高さ」が、そのまま「毎月安定して受け取れる手取り」や「働きやすさ」を意味するわけではない、ということです。
数字の大きさに惹かれる前に、その金額はどういう条件で成り立っているのか——固定なのか歩合なのか、ノルマはあるのか、達成できなかった月はどうなるのか。ここを面接で具体的に確認できるかどうかで、入職後の納得感は大きく変わります。
向いている人・しんどいと感じやすい面
実際に美容の道へ進んだ仲間の話や、仕事の性質から見て、次のような人には合いやすいと感じます。
- 美容やスキンケアそのものに関心があり、学ぶのが楽しいと思える人
- 接客やコミュニケーションが好きで、相手の希望を丁寧に聞くのが得意な人
- 夜勤を避け、日勤中心の生活リズムで働きたい人
- 身だしなみや清潔感を保つことを負担に感じない人
逆に、しんどさを感じやすいのはこんな場面です。
- 物販や提案といった営業要素・ノルマにプレッシャーを感じるタイプ
- 「病気を治す医療がしたい」という思いが強く、自由診療・自費のサービス提供に戸惑う人
- 急変対応や点滴管理といった臨床スキルから離れることに不安がある人
どちらが良い悪いではなく、自分が何にやりがいや負担を感じる人間なのかを、正直に見つめておくことが大事だと思います。
資格と、キャリアの「後戻り」について
資格の面では、医療レーザー脱毛は医療行為にあたり、医師または正看護師のみが施術できるとする記載があります。准看護師の扱いについては施術不可とする情報もありますが、ここは施設や解釈によって差があるようなので、気になる場合は応募先に直接確認してください。
もう一つ、これは長い目で見て正直に伝えておきたい点です。美容の分野は、急変対応や点滴管理といった一般医療の急性期スキルからは離れていきます。そのため、あとで一般の臨床に戻ろうとしたときに「ブランク扱いになった」「後戻りするように感じた」と話す人もいます。若いうちに美容へ進むこと自体を否定するつもりはまったくありませんが、5年後・10年後にどんな看護師でいたいか——その視点も一度持っておくと、選択に深みが出ると思います。
おわりに
美容クリニックは、働き方や給与の面で魅力のある選択肢である一方、ノルマや連休の取りにくさ、臨床から離れる不安といった負の側面もあわせ持っています。イメージだけで飛び込むのではなく、良い面と気になる面を両方知ったうえで、自分に合うかを考えてほしいと思います。
なお、フーレジョブは職業紹介の事業者ではないため、応募先の紹介や選考の調整はできません。応募は各事業所へ直接お願いします。もしこの分野に関心があれば、実際の給与条件やノルマの有無といった細かい部分は、求人を扱うエージェントで確認してみると、媒体ごとの数字の違いも含めて具体的に見えてくると思います。
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