大阪南部で訪問看護ステーションと居宅介護事業所を経営しています。人が採れない苦しさも、人件費に眠れない夜も、経営者としてひと通り味わってきました。だからこそ、紹介会社を頼ろうか迷っているあなたに、頭ごなしの否定ではなく、まず数字を一度だけ一緒に直視してほしいと思って書いています。

スポンサーリンク

結論:紹介会社は「即効薬」。ただし高コストと早期離職のリスクを数字で見てから決める

人材紹介会社は、急いで一人ほしいときには確かに効きます。動いてくれる担当者がつき、候補者が出てくるスピードは、自力採用の比ではありません。そこは正直に認めます。

ただ、効き目が早い薬にはたいてい副作用があります。採用単価の高さと、「高い費用で採ったのに半年で辞める」という二重の損です。まずはこの副作用を数字で確認してから、使うかどうかを決めても遅くありません。感覚ではなく、一次データで話を進めます。

そもそも、人が採れない現実

採用が難しいのは、あなたの事業所だけの話ではありません。日本看護協会の調査では、訪問看護ステーションの求人倍率は2024年度で4.54倍と、施設種別のなかでも最も高い水準でした。一人の求職者を、4つ以上のステーションが取り合っている計算になります。約7割の訪看STが「人材が不足している」と回答しているという結果もあります。

介護・障害福祉の現場も同じ空気です。有効求人倍率は職種によって全産業平均を大きく上回る状態が続いています。つまり、待っていて応募が来る時代ではない。ここで「紹介会社に頼むしかないか」と考えるのは、経営者としてごく自然な流れです。私もそう考えた一人でした。

スポンサーリンク

紹介手数料のリアル:平均89万円、そして6割が半年で辞める

では、紹介会社に払う費用は実際どのくらいか。業界メディアが伝える手数料相場は、想定年収の20〜30%が一般的で、人手不足の職種では30〜35%、看護師などの資格職では30%を超え、高い場合は45%程度になることもあるとされています。年収400万円の職員なら、120万〜180万円が一度の採用で出ていく計算です。

もっと具体的な数字もあります。全国老人福祉施設協議会の「令和5年度(2023年)人材紹介手数料実態調査」(有効回答2,002施設)によると、常勤介護職員一人あたりの紹介手数料は平均約89万円。100万円を超えたケースも一部にあり(430施設中142施設)、最高では220万円という回答もありました。特別養護老人ホームを対象にした2023年度の別調査でも、正規職員1名あたり平均91.7万円、98.6%の施設が「手数料が高い」と回答しています。

問題はここからです。同じ老施協の2023年調査で、紹介会社経由で採用した介護職員の約61.5%(985人中566人)が、採用から6ヶ月以内に退職していました。半年経たずに、六割以上が現場を去っている。89万円を払って採った人が、定着せずに抜けていく。採用コストがまるまる消えたうえ、また募集からやり直しです。

この数字を初めて見たとき、私は胃が痛くなりました。高い費用を出して採ること自体が悪いのではありません。払った額に見合う「定着」が伴わないと、費用が二重に消える――その構造を、契約する前に知っておいてほしいのです。もちろんこれは介護職員を対象にした調査であり、看護職や他業種にそのまま当てはまるわけではありません。ただ、採用単価と早期離職の関係を考えるうえで、無視できない一次データだと思います。

紹介会社が「向く場面」と「向かない場面」

誤解しないでください。紹介会社を使うな、という話ではありません。合う場面は確かにあります。

  • 今すぐ一人埋めないと現場が回らない――退職者が出て穴が空いた、というような緊急時。スピードは紹介会社の最大の強みです。
  • 特定の専門性をピンポイントで採りたい――精神科訪問看護の経験者、特定の資格保持者など、母数が少ない人材を探すとき。担当者の人脈が効きます。

逆に、向かない場面もはっきりしています。

  • 継続的に複数名を採っていきたい――採用のたびに数十万〜百万円超が出ていくと、人件費以前に採用費で経営が痛みます。
  • 定着とチームづくりを重視したい――早期離職のリスクを踏まえると、高い単価と定着率が噛み合わない可能性があります。

要は「一発の緊急補充」には向き、「腰を据えた継続採用」にはコストが重い。この線引きを持っておくだけで、判断がぶれにくくなります。

コストを抑える採用の選択肢

紹介会社一択にしないための、地に足のついた選択肢を挙げます。私自身が試してきたものです。

  • 直接応募の窓口を整える――自社サイトの採用ページを、給与だけでなく「一日の流れ」「どんな職員がいるか」まで書き込む。応募のハードルは、情報の少なさで上がります。
  • 地域のつながりを使う――地元の看護学校、ハローワーク、同業のネットワーク、退職した元同僚への声かけ。手間はかかりますが費用はほぼゼロで、しかも人柄が読める分ミスマッチが少ない。
  • 自社発信を続ける――ブログやSNSで日々の仕事や考え方を発信しておくと、「ここで働きたい」と思って応募してくる人が出てきます。時間はかかりますが、定着率が段違いです。
  • 地域特化の求人媒体に載せる――大手の総合求人サイトは埋もれがちです。エリアと職種を絞った媒体のほうが、通勤圏で長く働きたい人に届きます。

どれも即効性では紹介会社に負けます。ただ、採用単価という物差しで見ると、費用対効果はまるで違ってきます。

うちも同じように悩んできた。だから作った

私が「フーレジョブ」という求人サイトを立ち上げたのは、ここまで書いてきた悩みを、自分がずっと抱えていたからです。柏原で人を採り、採用費に頭を抱え、それでも辞められて、また募集する。その繰り返しのなかで、「地域の事業所が、費用を気にせず求人を出せる場所がほしい」と本気で思いました。

フーレジョブは、大阪の看護・介護・障害福祉に特化した求人媒体です。掲載は無料。費用が発生するのは、実際に採用が決まったときだけの成果報酬にしています。載せるだけなら一円もかかりません。空求人になってもリスクがない形にしたかったからです。

念のため正直に書いておきます。フーレジョブは職業紹介事業者ではありません。候補者を選んで推薦したり、選考を調整したりはしません。あくまで、あなたの事業所の求人を地域の求職者に「届ける掲載の場」です。そこは紹介会社と役割がはっきり違います。誇張なく、できることとできないことをそのままお伝えしています。

紹介会社を使うのも一つの手です。今日見てもらった数字を踏まえたうえで、それでも急ぎなら使えばいい。ただ、選択肢はそれだけではありません。もし「掲載は無料、決まったときだけ」という形が、あなたの事業所の採用の選択肢の一つになりそうなら、料金と掲載の詳しいご案内をのぞいてみてください。

▶ 料金と掲載のご案内を見る

スポンサーリンク
おすすめの記事