求人票の「年間休日」の読み方|120日と105日で何が違うのか

求人票を見るとき、多くの人はまず月給や時給に目が行きます。次に賞与、そして「駅から徒歩◯分」あたりで満足してしまう。でも私が転職を何度か経験して、そして今は求人を出す側に回って思うのは、月給の次に確認すべきなのは「年間休日」だということです。ここは読み飛ばされがちなのに、入ってからの1年の暮らしを左右します。同じ月給でも、年間休日が105日と120日では、1年で15日ぶんの人生の時間が違ってくるからです。

この記事では、求人票の休日欄でつまずきやすいポイントを、看護師・介護職の視点で整理してみます。

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年間休日「104日」「120日」「105日」——数字が意味すること

まず基本の数え方から。年間休日は、その職場が1年間に定めている休みの合計日数です。ここに有給休暇は含まれません(これは後で詳しく触れます)。

目安として、いくつかの数字を押さえておくと読みやすくなります。

  • 約104日——毎週きっちり2日ずつ休んだ場合の日数です。1年は約52週なので、2日×52週で104日前後。いわゆる「完全週休2日」だけを積み上げた数字だと考えてください。
  • 120日前後——上の104日に、祝日(年によって前後しますが十数日)や年末年始・夏季休暇を足していくと、このあたりになります。「祝日もカレンダー通りに休める完全週休2日」の一つの目安としてよく使われる数字です。
  • 105日前後——ここは少し注意して読みたい数字です。労働基準法では、休憩を除いて1日8時間・週40時間が労働時間の原則的な上限とされていて、そこから逆算すると年間休日はおおむね105日前後が下限の目安になる、という整理がよくされます。つまり105日前後という表記は、法律で認められた範囲でしっかり働く設計になっていることが多い、と読めます(あくまで一般的な読み方で、実際の労働時間は求人票ごとに確認が必要です)。

120日と105日、その差は15日。月にすればおよそ1日ぶん、休みが多いか少ないかが変わってきます。数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、続けて働くことを考えると、この差は効いてきます。

「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物です

ここが求人票でいちばん誤読しやすいところだと思います。似た言葉ですが、意味がまるで違います。

  • 完全週休2日制——毎週かならず2日の休みがある、という意味です。
  • 週休2日制(「完全」がつかない)——1か月の間に、2日休みの週が1回以上ある、という意味にすぎません。残りの週は休みが1日、というケースもあり得ます。

「週休2日制」とだけ書いてあって、頭の中で「毎週2日休めるんだな」と思い込んでしまうと、入ってから「あれ、思っていたより休みが少ない」となりがちです。「完全」の二文字があるかないかで、月の休みの日数が変わってくる。ここは求人票を見るときに、指で「完全」の字を探すくらいの気持ちで確認してほしいところです。

そして、この表記だけでは判断しきれないからこそ、さきほどの年間休日の総数を併せて見るのが確実です。「完全週休2日制・年間休日120日」のように、両方書いてある求人は、休日の設計がはっきりしていると読めます。

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シフト制・「4週8休」の読み方

医療や介護の現場は、そもそもカレンダー通りに休める職場ばかりではありません。病院や施設、訪問系でもオンコールがある事業所では、シフト制で回っていることが多いです。すると求人票に「4週8休」という表記が出てきます。

4週8休は、文字通り4週間(28日)のあいだに8日の休みがあるという意味です。これを12〜13回積み上げると、年間ではおよそ104日前後になります。数のうえでは完全週休2日と近い水準です。

ただ、4週8休で気をつけたいのは「休みが均等に散らばるとは限らない」こと。週によって休みが1日だったり、逆にまとめて休めたりします。土日固定でもありません。カレンダー通りの連休を前提に生活設計をしていると、ここでギャップが出ます。シフト制の職場を見るときは、日数だけでなく「休みの入り方」もイメージしておくと安心です。

有給休暇は年間休日に含まれません

ここは取り違えると大きいところなので、はっきり書いておきます。有給休暇は、年間休日とは別枠です。年間休日120日の職場で有給を使えば、その年に休める日はさらに増える、という関係になります。有給は年10日以上付与される人について、年5日は取得させることが会社の義務になっている、というのも知っておいて損はありません。

ただ——ここからは私自身の経験なのですが、制度としての有給があることと、それが使いやすいことは、必ずしも一致しません。私が市民病院の外来にいた頃、有給の制度はもちろんありました。でも実際には、周りに気をつかって言い出しにくい空気があって、なかなか消化できなかった。「制度はあっても、使いやすいとは限らない」——この感覚は、その頃に身にしみたものです。当時のことはこちらの記事にも書いています。

だから求人票で「有給消化率◯%」と書いてあっても、数字だけを鵜呑みにせず、あとで触れる面接での確認とセットで見てほしいと思います。

休日数には、事業所の考え方が出ます

いま私は柏原市で訪問看護と障害福祉の事業所を運営していて、求人を出す側でもあります。自社の求人では、思いきって完全週休3日制・年間休日を約150日で設計しました。宣伝したいわけではなくて、ここで伝えたいのは別のことです。

休日数をどう設定するかには、その事業所が働く人をどう見ているか、その考え方がわりとそのまま出る、ということです。ぎりぎりまで働いてもらう前提で組むのか、しっかり休んで長く続けてもらう前提で組むのか。年間休日の数字は、そういう「思想」の表れでもあります。求人票の休日欄は、給料の条件であると同時に、その職場からのメッセージだと思って読むと、見え方が変わってきます。

ちなみに、夜勤のある職場では休日の考え方に加えて手当の設計も暮らしに効いてきます。そのあたりは夜勤手当の記事で整理しているので、あわせて読んでみてください。

面接で確認しておきたいこと

年間休日の「数字」がわかったら、最後は「実際のところ」を面接で確かめます。聞きにくいと感じるかもしれませんが、入ってからのミスマッチを防ぐための、まっとうな質問です。

  • 希望休はどのくらい通るか——シフト制の場合、月に何日まで希望を出せるのか、それがどの程度反映されるのか。ここは生活のリズムに直結します。
  • 有給は実際どのくらい取れているか——制度ではなく実態を。「取得率」だけでなく「みなさん連続で取ったりしていますか」と具体的に聞くと、空気感が見えてきます。
  • 連休は取れるか——3日以上のまとまった休みが現実的に取れるのか。帰省や旅行の予定を立てられるかどうかは、長く働くうえで意外と大きい要素です。

よくある質問

Q. 年間休日が多いほど、給料は下がりますか?

一概にそうとは言えません。休日が多くても給与水準を保っている職場もありますし、休日が少なくても給料がそのぶん高いとは限りません。年間休日と月給・賞与は、それぞれ別に確認するのがおすすめです。片方だけで判断せず、両方を並べて見てください。

Q. 「年間休日105日以上」と書いてあれば大丈夫でしょうか?

「以上」という表記は、あくまで下限の目安です。実際の日数はもっと多いこともありますが、105日前後は法定の範囲でしっかり働く設計になりやすい、と読めます。気になる場合は、面接で「昨年度は実際に何日くらいでしたか」と実績を聞いてみるとはっきりします。

まとめ

求人票の年間休日は、月給の次に確認したい大事な項目です。ポイントを整理すると、こうなります。まず数字の目安として、完全週休2日だけなら約104日、祝日や特別休暇を足して120日前後、105日前後は法定の範囲でしっかり働く設計になりやすい。次に「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物で、「完全」の有無を必ず確認する。シフト制なら「4週8休」の休みの入り方までイメージする。そして有給は年間休日とは別枠で、制度の有無と使いやすさは別問題。最後は面接で希望休・有給の実態・連休の取りやすさを確かめる。

休日欄は、その職場が働く人をどう見ているかが表れる場所です。数字の裏側まで読めるようになると、求人選びはぐっと楽になります。

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