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求人票の給料欄を見て「この職場、月給高いな」と思ったことはありませんか。私は大阪南部で訪問看護と居宅介護を営みながら、採用する側として求人票を書き、面接もしています。その立場から先に結論を言うと、求人票の「月給」は夜勤手当や残業代を含んだ額のことが多く、額面の高さだけで飛びつくと入職後に「思ったより少ない」となりやすい、ということです。大事なのは月給の総額ではなく、その中身がどう組み立てられているかを分けて見る力です。
まず用語を整理する
厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、給与の内訳がいくつかの言葉で区別されています。求人票を読むときの物差しになるので、ここだけは押さえておきたいところです。
- きまって支給する現金給与額(いわゆる月給)…基本給などの所定内給与に加えて、残業代・夜勤手当・休日手当までを含んだ月額。求人票で大きく出ている数字はこれに近いことが多いです。
- 所定内給与額…上の額から残業・夜勤などの超過分を除いた月額。基本給に、役職手当や通勤手当といった毎月定額で付く分を足したもの。きまって支給する額より数万円低くなるのが一般的です。
- 年間賞与その他特別給与額…ボーナスなど。これは職場によって差が非常に大きい部分です。
ざっくりした年収の見当は、推定年収 ≒ 月給(きまって支給)×12 + 年間賞与で考えられます。ただし、この式の「月給」に夜勤手当や残業代が含まれている点を忘れると、実態とずれていきます。
この構造だから起きること
月給に夜勤手当が含まれているということは、夜勤の回数を減らせば月給も下がるということです。「月〇万円」を月4回夜勤の前提で組んでいる求人なら、体調や家庭の事情で夜勤を月2回にしたとき、手取りは想定よりはっきり減ります。日勤中心で働きたい人ほど、ここを見誤ると入職後のギャップが大きくなります。
もう一つ。賞与や退職金は基本給を基準に計算される職場が多いため、基本給(所定内)が低いと、月給が高く見えても賞与や退職金は伸びにくい傾向があります。手当を厚くして月給の見栄えを上げ、基本給を抑えている設計だと、長く働くほどこの差が効いてきます。同じ「月給30万円」でも、基本給25万円と基本給20万円+手当10万円では、数年先の総額が変わってくるわけです。
求人票でここを見る
数字を鵜呑みにせず、次の項目を分けて確認すると中身が見えてきます。
- 基本給がいくらか…賞与や退職金の土台。月給総額とセットで必ず確認したいところ。
- 固定残業(みなし残業)の有無…「月給に固定残業〇時間分を含む」と書かれていれば、その分は残業しなくても付くが、実質の基本部分は下がります。
- 夜勤手当・オンコール手当の額と回数前提…1回いくらで、月何回想定か。日勤中心を望むなら影響が大きい部分です。
- 賞与の月数…「〇ヶ月分」なのか「業績による」なのか。前年実績を聞けると現実的です。
これらを分けて見るだけで、同じ月給表示でも職場ごとの設計の違いが浮かび上がります。
採用する側の本音
面接をしていると、応募者のタイプが見えます。正直に言うと、「基本給と固定残業、夜勤手当、賞与の月数、オンコール手当を分けて教えてください」と質問してくる人は、採用する側として歓迎です。給料の中身をきちんと確認する人は、入職後に「話が違う」となるミスマッチが少なく、結果的にお互い長く続きやすいからです。
月給の見せ方は事業所ごとに考え方が違います。手当で厚く見せる職場もあれば、基本給を高めに置く職場もある。どちらが良い悪いではなく、自分の働き方に合うかどうかです。だからこそ、隠さず答えられる事業所かどうかも含めて、遠慮せず分解して聞いてほしいと思います。ちゃんと答える職場は、そこで働く人にも同じように誠実であることが多いです。
額面より、中身を見る
求人票の月給は、夜勤や残業を含んだ「一番よく見える数字」であることが少なくありません。基本給と各手当、賞与を分けて読み、自分の働き方に当てはめて考える。この一手間が、入職後の後悔を減らします。もし気になる求人があって条件の分解が難しいと感じるなら、求人を扱うエージェントなどを使って、基本給・手当・賞与月数まで具体的に確認してから判断するのも一つの方法です。
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